curse CURSE (The Smallville Series 5)04年1月発刊

以下はすごくおおまかな内容です。もっと細かいエピソードがたくさん入っていてとても面白い一冊でした。おすすめします(翻訳されて出版されたらすごく嬉しい。がんばれ中央公論新社!)

スモールビル墓地の古い墓から古書が見つかる。それはかつて金を探して旅をした一団の旅行記で、その途中に魔術師が焼き殺された悲劇が記されていた。そして本に記された呪いの予兆がスモールビルに起きはじめる。

クラークは、ピートが突然冷たくなり、フットボールチームの不良少年グループに入ったことを不審に思う。ちょうど学校でレックスの特別講義が決まっていて、それについて様子を聞いてきて欲しいと教師から頼まれたこともありレックスに相談しようと、彼が屋敷の修理の間逗留しているスモールビルホテルへ行くが、これもつれない返事をされ、がっくりする。
ピートが入った少年グループは、クリプトナイトの影響を受けたベリーを麻薬代わりに利用して、ハイになっては暴れていた。
心配のあまりピートのあとをつけていったクラークは少年グループが秘密のパーティーをしていた鉱山跡が雨で増水した川によって浸水し、もう少しでおぼれそうになったひとりの少女を助ける。しかしピートは、クラークがあとをつけてきたことに怒る。
クラークは助けた少女とつきあうことになる。少女は少年グループの一人とつきあっていたが、助けてくれなかったことに腹をたて彼を見限っていた。少年はクラークを逆恨みする。
牧師の手元にあった古書の内容をクロエが学校新聞に公表すると、町はたちまち呪いの噂でもちきりとなる。
ジョナサンは呪いを信じないが、クラークは自分の身に起ったことが呪いのキーワードと似ていることを気にする。

レックスにも、過去の呪いが人間の形をして現れた。
スモールビルに興行にきたプロレス団の中に、かつて、コカイン所持で捕まった友人がいた。実はレックスが買ったコカインを預かっていただけで、それを黙って刑務所にはいる代わりに5000ドルを渡して話がついたはずだった。しかし再会した友人は更に要求してきた。レックスは考えた末に、彼が事業を起こしレックスがそれに無条件で出資することを提案する。提案を受け入れる友人。

プロレス団の興行がスモールビル体育館で行われる。クロエとラナの三人で見に行くクラーク。
少女を取られたと逆恨みしていた少年が、ショーの中の挑戦コーナーにクラークを推薦してしまう。ラナが止めるが、挑戦するクラーク。相手はレックスの例の友人のプロレスラーで、ショーの直前にちょっとしたはずみでクラークが服にコーヒーをこぼした人間だった。懲らしめてやろうと通常より激しい攻撃をしてくる彼に、最初はやられっぱなしだったクラークだが、その技を体得し逆に勝って賞金を手にする。
興行主は痛い出費に怒るが、自分はここで抜ける、とレックスの友人は団をやめる。また、その団の中には、行く先々でコソ泥をしていたプロレスラーもいた。彼は解雇され行くあてがなく、スモールビルファースト教会、あの呪いを記した本がある教会の塔の上に忍び込んで泊り込む。

どうしてもピートを説得したいクラークは、少年グループのあとをつけた末に逆に捕まってしまい、グリーンのベリーを食べさせられて意識不明になってしまう。ピートは自分の過ちに気づき、グループを抜けてクラークを励ます。
混濁する意識の中でクラークは、過日に学校の特別講義でレックスが話したことを思い出していた。「宇宙(社会)に出たら、なにもかも自分にかえって来る。宇宙には大統領も導師も両親もいない、自分自身だけを信じろ」ようやく意識を取り戻したクラークの体を支えながらピートは家に送り届ける。彼は他の兄弟やクラークより劣るような気がする自分自身を変えようと迷っていたのだった。納屋に戻って再び眠り込むクラークを両親が見つけ、寝ずに看病する。

牧師が町の混乱を見かねて呪いは解かれたと宣言するが、それは続いていた。
教会の鐘を鳴らすシステムの故障で火事が起き、ミサの途中の人々を火が襲う。教会の塔に泊まっていた元レスラーはそれに巻き込まれて死んでしまう。教会内でも犠牲者が出そうになったが、体調が戻ったクラークの活躍によりどうにか助かる。しかし牧師の妻が重体となる。

呪いのキーワード全てが揃い、とうとうスモールビルは大パニックとなる。人々は仕事や学校に出るのを拒み、町の機能が止まってしまう。責任を感じていたクロエと、納屋でひとつの古い新聞記事を見つけていたクラークは牧師の元を訪れる。
呪いを信じてしまっている牧師にクラークは、古書に出ていた焼かれた魔法使いは実は手品師で、生きて町を訪れていたと記事を見せる。しかし受け入れようとしない牧師。なにか隕石を持っていないか、と確認するクラーク。牧師はクリプトナイトでできた美しい緑色の十字架を持っていた。クラークは、それが呪いの元凶だ、手放すべきだと言う。牧師は考え込む。

レックスは、友人から事業がうまく起こせそうだという電話をもらう。またかけるよと言う彼に、家に戻る、城に電話をくれと答える。レックスはかつてどこも「家」と呼んだことがなかった自分自身に気がついた。
火事で死んだ元プロレスラーの葬儀は、牧師とジョナサンとクラークだけで行われた。牧師は十字架をその墓へ共に埋める。
レックスが屋敷で、自分は人の運命を左右できるのだと実感していた同じとき、クラークは、あの旅行記を書いた人たちは無事に金を見つけることができたんだろうかと思いを馳せる。