Skinwalkers

06 Redux

スモールビルハイスクールの屋内プール。
水泳の授業でクラークとピートが競争し、クラークが勝って決勝レースに進む。プールサイドで、ラナと、チアリーダーの格好をしたクリッシーという女の子が"Spirit week 2002 GO CROWS"という愛校週間の看板を作りながら彼らを見ている。クリッシーの元へ決勝レースに進むトロイという男子生徒が来て、応援のキスをお願いする。しかし決勝レースが始まると、そのトロイがおぼれしまう。一緒に泳いでいたクラークは潜水してスーパースピードを使ってすぐに助け出すがプールサイドに引き上げられたトロイは、老人になっていた。

ケント家のキッチン。
マーサがマフィンを焼いている。請求書の束と格闘しているジョナサンに一口食べさせる。そこへクラークが帰ってくる。オーブンから出したマフィンのトレーを出すのを素手で手伝う彼に、マフィンの注文を三件とったと話すマーサ。ジョナサンが、今月どうやって支払いをしたらいいかわからない、と言う。クレジットを延期してもらえるかもと言うマーサに、もう三ヶ月も延ばしてる、尋ねたができないと言われたと答えるジョナサン。二人の話を聞いているクラーク。
マーサが、自分の父と話すべき時かもしれない、と言うとジョナサンは突然立ち上がり、答えたくない様子をする。クラークが、なんでいつもおじいさんの話になると無口で困ったようになるのかと聞く。おじいちゃんと交流がないのをすまないとは思うが、確執が多すぎる、と説明するジョナサン。仕事がある、と出て行くジョナサンと、ため息をつくマーサ、合点がいかない顔のクラーク。

タロン。店の中でも何人かが愛校週間の看板を作っている。
マフィンがのった大きなトレーを持ってクラークが入ってくる。カウンターに置きながら、小さなボックスを運んでいるラナに愛校週間パーティーの準備について尋ねる。タロンの映写室をネルが個人の倉庫として70年代ごろから使っていたみたいだ、と答え、自分が持ってきたボックスの中から写真の束を見つけるラナ。
写真には、ラナの母と、見知らぬ男性の親密な様子が写っていた。日付は85年7月。両親は結婚していたのにといぶかしむラナ。クラークは、単なる友人だろ、とは言うが、黙ってしまう。そこへレックスが入ってくる。あなたの言うことが正しいと思うわ、と答えるラナの言葉を聴いて、何が正しいって?と加わり、写真を見て、魅力的なカップルだ、いろんな解釈ができるね、と言う。ネルに聞いてみると言うラナ。話を逸らそうとクラークが、学校へ行く時間だと言う。送っていこうというレックス。ラナは二時限目までは取ってないと言う。走って行くと言うクラークに、ポルシェより早く走れるとは思わないよ、クラーク、と面白そうに返すレックスと笑い出すラナ。

学校の駐車場の門が閉ざされる。
その向こうの道路をレックスのポルシェがタイヤを鳴らして走りこんでくる。
門の前で立っている男性に、車から降りたクラークが、中に入らなきゃいけないんだけどと言うと男性が、君は四分前に来るべきだった、と遅刻したことと遅刻常習犯なのを指摘、自分は新しい校長のレイノルズだと告げる。レックスが車を降りて、遅刻は自分のせいだと校長に声をかける。レイノルズは、レックスの寄宿学校時代の校長だった。


レイノルズ:君には信じるのは難しいかもしれないが、レックス、人間は自分の行動に対して責任を持つべきだと思うよ。

ちょっと口を尖らせて、黙るレックス。二度と遅刻しないと約束するクラークに、レイノルズは、ちゃんと見ている、次にやったら居残りだぞと言って門をあけ、中に入れる。

レックス:鞭を惜しめば子供は駄目になる、か。ちっとも変わってないね。次はなんだ? 制服か?
レイノルズ:私の学校と生徒に手を出さないでくれるとありがたいね、ルーサー。
レックス:聞けよ、先生、確かに学校では口喧嘩したけど、僕は14歳だったんだ。根に持つには些細過ぎないか?


細かな理由は言わずに彼を拒絶、困惑するレックスを置いて立ち去る校長と、ため息をついて帰るレックス。

学校の廊下にあるロッカー。
クリッシーが鏡に、目の周りにできたひどい皺を映している。そこへレイノルズが声をかける。新しいユニフォームのメモについて見てくれたか聞くクリッシーに、逆に、以前の学校から成績証明書が来てないと話す。両親に話しておくと笑って言うクリッシーだが、校長が去った後を、鋭い目つきでにらむ。

トーチ編集室。
クロエがスモールビルレッジャートップ記事をねじれの壁に貼っている。
内容は水泳チャンピオントロイの謎の死亡について。
クロエとピートが早老症について話しているとクラークが入ってくる。早老症は十年単位だ、十秒じゃない、と言うクラークに同意するクロエ。検死官が検査中だと言う。クラークは校長の呼び出しでいらいらして朝の出来事を話す。面白がるクロエとピートに、そのうちトーチにも来るぞと言うクラーク。
クロエは校長の過去を調査済みだった。ヨーロッパと東海岸の有名校で教えていた、一介の高校の校長になるような履歴ではない。あなたをすぐに好きにならないからと言って、暗い過去があるわけじゃないと思うわよ、とのクロエの言葉を聞き、なにか思い当たるような顔のクラーク。

タロン。ラナの前には箱に入ったミラーボールがある。
クラークが来て、なにか手伝うことがあるかと聞くと、この午後はあなたはお母さんのお手伝いをするんだと思ってたと答えるラナ。カバーできたからいいってさ、と言いながら箱を持つクラーク。この二、三日母さんはなにか隠してる感じだと言うと、ラナが大げさにケント家の秘密主義、ショックね、とからかう。祖父に関係したことかもしれない、と言うクラーク。おじいさんの話は聞いたことなかったわ、と言うラナに、自分も一回も会ったことがない、二十年前の写真だけだと話す。
タロンの中の、かつて映画上映ホールだった場所へ入るふたり。
クラークは祖父が大企業の顧問弁護士だったが引退してコーストシティにいること、六年生の時に思いきって電話して、たくさんメッセージを残したけど、電話をくれなかった、僕に興味がなかったんだと思う、と話す。ラナは、ケント家は完璧だってイメージがあった、と言う。うちは普通に問題家庭だよと返答するクラーク。両親に言わなかったのは、あなた自身がそれを知りたくなかったからかも、と指摘するラナ。真実より想像のほうが受け入れやすいかもね、とクラーク。
ネルが入ってくる。また後で、と去っていくクラーク。
ホールの飾りつけを褒めるネルに、写真を見せ、率直に尋ねるラナ。自分が生まれる一年前に撮られたとラナが言う。ネルは、ラナの母親はラナも夫も愛していた、と説明するだけだった。

ケント家の玄関側。
マーサが家から出てくると外に車が止まる。男性が降りてくる。父さん、来てくれて感謝するわ、とマーサが言うと、二人はぎこちなく抱き合う。メッセージをもらって驚いた、ジョナサンが自分の助けを必要とするなんて大変なことだと思った、と言う父に、ジョナサンは自分が父さんに連絡したのは知らないと話すマーサ。


マーサの父:気がつくべきだったな。…ここは想像とは違ってた。でもお前に望んでた生活ではないよ、マーサ。
マーサ:私は幸せよ、父さん。いい人生だわ。
マーサの父:他の人にはそうかもな。だがお前はたくさんの可能性を持ってた。クラスではトップ10、お前が望めばどのロースクールにも行けた。いつの日かお前が私の依頼人を引き継ぐようになって欲しかった。
マーサ:私は弁護士にはなりたくなかった、これが私が選んだ人生よ。


ジョナサンのためだろうという父と、ジョナサンに娘とその将来を取られたと怒っているのだろうと玄関前のポーチで言い争うマーサ。そこへクラークが帰ってくる。
マーサに祖父だと紹介され、丁寧に挨拶するクラーク。しかしマーサの父はモーテルに帰ろうとし、明朝小切手を切るからと言う。部屋はたくさんあるんだから泊まればいいの、夕食も、家族として、とすすめるクラーク。その様子に悲しそうにするマーサ、悪いねと言って帰るマーサの父。

ケント農場。
古いトラクターの手入れをしているクラークとジョナサン、マーサが立って見ている。
マーサが話をしたい分にはかまわないが、お金について何も話したくない、最初に話してくれればよかったんだと言うジョナサン。なんでおじいさんの話を聞かないのかというクラークに、仲裁の必要はない、もっと違ってたらよかったのにと願ってるんだよとジョナサン。他人の良い部分を探せっていつも言ってるのにどうしてできないの、なにがあったの?地下室にあるものより悪い事?と説明を求めるクラーク。彼を殴ったんだ、とジョナサン。彼がマーサとの結婚を決意してマーサの父のオフィスに行った時の話を始める。


ジョナサン:彼が言った言葉はしっかり覚えてる。「娘を養うこともできない田舎者の農民と結婚させて娘の人生を台無しにするつもりはない」

マーサは彼女の父は企業弁護士でそういう物言いなのだと説明。マーサの父はジョナサンたちの結婚が真剣だとわかってジョナサンを部屋から押し出そうとし、逆に殴られてしまった。ジョナサンは謝ろうとしたが受け入れてもらえない。それ以来お互いに何も話してない、と言う。
でも20年も前のことだし、ここまで運転してきてくれた、やり直したいって思ってるかも、とクラークが言うが、ジョナサンはそれは我々を助けるためじゃなく、悦に浸るためだと言い切る。

タロン。看板には"GO CROWS"
もと上映ホールのステージで、クリスティ率いるチアリングチームが演技の練習をしている。
客席でラナが楽しそうに見ている。演技が終了し、ラナが立ち上がると同時にレックスの声がする。ラナから、会いたいとのメッセージを受け取って来たらしい。レックスに例の写真を渡し、誰かのか知りたいのだと頼む。パンドラの箱を開けるのかと言うレックス。警告に感謝すると答えるラナ。

トーチ編集部。
クロエがパソコンに向かっているところへクラークが入室してくる。
レイノルズ校長にインタビューすると話すクロエ。クラークは彼女が知り合いから入手したトロイの死因情報メールを読む。トロイは早老症ではなかった。しかし脳下垂体が完全に抜かれていた、誰かが彼の若さを吸ったかのように、と説明するクロエ。そこに校長が、それは全くの仮定だと声をかける。驚いて振り返る二人。いろんなシナリオの中で突飛な理論や話も出してるんです、やめます、と言い繕うクロエに、黙らなくていいと言う校長。部屋に入ってきてねじれの壁の方へ歩きながら、クロエの荒削りな理論のあり方を認める。

レイノルズ:私は学生達が多方面から考えるのを好む。トーチのバックナンバーを読んだが、そこに多くの創造性と洞察力を見つけたよ。
クロエ:からかってます?
レイノルズ:未証明の洞察だ、だが多くのピューリッツァ賞は突飛な理論から生まれた。それらを補完できるかどうかが、インクイジターのゴミ記事とデイリープラネットの報告記事との分かれ目だ。

彼の取材への理解に驚くクロエ。彼女とのインタビューの前に校長はクラークを校長室に呼ぶ。

校長室。校長とクラークが入ってくる。
慣れてないようだなと言う校長に、ここに来るのは初めてだと言うクラーク。校長はクラークが怠け者だと思っている。試合もせずにフットボールチームをやめた事や、遅刻常習、課外活動なしなど。校長の偏見はクラークとレックスが友人であることへの誤解からのようだった。レックスに友だちはいないはずだ、時間がたてばわかる、とクラークに諭す校長。クラークに卒業後の目標を聞き、彼がまだ決めてないと答えると、五年後になにをするつもりかについての五ページの随筆を書いてくるように言う。理由を聞くクラーク。罰ではなくチャレンジだと考えろという校長。うんざり顔のクラーク。

タロン。
客席のテーブルでエッセイを書いているクラーク。テーブルの上には握りつぶしたレポート用紙が山積みになっている。
クリッシーが階段から降りてきて装飾委員会のボランティアをしてよと声をかける。エッセイをやらないとと言うクラーク。話の途中、クリッシーは書類ボードを持つ手がミイラのようになっていき慌てて隠す。そこへ他の男子生徒が来てクリッシーに照明について声をかける。見に行こうと立ち去るくクリッシーと男子生徒。クラークの隣にレックスがやってきて、クラークの手元をじっと見る。レイノルズは自分にも同じ宿題をさせた、一貫してる、と声をかける。隣に座ったレックスにクラークは、校長がレックスを評価してないと告げる。レックスは、レイノルズが自分の金にごまかされることなく、厳しかったが公平に扱ったので、好きだったと話す。お互いにそうだといいんだけどとクラーク。いつまで宿題をやるんだと尋ねるレックスに、まだ家に帰る準備ができてないと答えるクラーク。コーヒーのお代わりをもらいにカウンターまで行く彼にレックスもついていきなにかあったのか聞く。家族の問題だよと言うクラーク。俺は家族不和の王様だぞ、とのレックスの言葉に、父と祖父の確執を話す。二人を会わせるのがいいよとアドバイスするレックス。

タロンのステージ。
クリッシーと先ほどの男子学生がいる。ラッセルという名前らしい。
彼は亡くなったトロイの友だちだった。彼がいなくなって寂しいと言うラッセルに近づき、私の中で永遠に生きるのだと、彼にキスをし若さを吸い取る。

ケント農場の納屋の横の道。
ジョナサンがトラックで来る。クラークが寄ってきて降りてきたジョナサンに時間があるか声をかける。マーサの父が納屋の影から出てくる。マーサの仕業かと聞くジョナサンにクラークは自分がやったと言う。マーサの父は、クラークのせいじゃない、自分達二人の問題だ、自分は助けを与えるために来たと話す。二十年ほうっておいて突然家族になりたいのか、とジョナサン。君には何も求めない、ただ娘が苦しむのを見たくないから小切手を持ってきたと返すマーサの父。
クラークはジョナサンに和解して欲しいというが、ジョナサンは拒絶する。マーサの父は二十年前と同じ議論同じ態度だと。全く同じではない、予言したことが二十年で本当になったろう、マーサは結婚は大きな間違いだとわかってた、とマーサの父が返す。クラークは、それは真実じゃないよ、おじいさんと言うが、彼は聞かず、農場を守るならプライドを捨てろとジョナサンに言う。お互いに譲らないジョナサンとマーサの父。ジョナサンが、俺の土地から出て行けと告げ、喜んで、と言い捨てて帰っていくマーサの父。クラークが引き止めるが振り向かない。ジョナサンは、クラークの気持ちをわかっているが、変えることができない事もあると話す。

スモールビル高校の廊下。
ピートが歩いているクラークに声をかける。
クラークの様子を気遣うピート。家族の問題があって、自分が関わるほどに悪くなると愚痴るクラーク。そこへクロエが突然現れて、ラッセルの死体がタロンで見つかったと話す。昨日見かけた、何があったのかと尋ねるクラーク。ラッセルはまるで百歳の老人のようになっていて、免許書で彼だと確認された。ラナが校長に愛校習慣のパーティを中止するよう頼んだが、校長はそれを拒否、できる限り普通にしたいと言ったらしい。クラークがロッカーを使っているクリッシーを見つける。クロエもそれに気がついてどうしたのかと尋ねる。クラークは彼女が昨日タロンでラッセルといたこと、また、トロイが死ぬ前にも一緒にいたことを話す。決定的証拠ではないとクロエは言うが、クラークは、調べる価値はある、彼女の前の学校の記録を見ておかしなことがないかチェックしようと提案する。ベルがなり、クロエはわかったら知らせると答える。

校長室。
レックスがノックもせずに入っていく。
校長は席に座って仕事をしていたが、レックスを見て憮然とする。部屋にあった巌窟王の本を手にして、興味深い選択だね、と話し始めるレックス。なぜここにいるのか聞く校長に、工場のコンピューターシステムを新しくするので、古いコンピューターを高校に寄付しようかと思う、と話す。卒業生でもないのに?といぶかしむ校長。


レックス:ありがとうってことさ。あなたは僕をこづきまわしたけど、あとから思えばありがたかった。いくつかの点で現在の僕があるのはあなたのおかげだ。
レイノルズ:喜んで引き受けたわけじゃあない。課税控除以外に何が目的だ?
レックス:なぜ僕がなにか見返りを求めてるって思う?
レイノルズ:ルーサー家が関わるときは必ず代償があると学んだからだ。


レックスは、自分への敵意をクラークに向けるのはやめて欲しいと告げる。ライオネルは君をよく教えたな、と校長。急に出た父の名前を怪しむレックスに校長は、レックスが放校されかけた時の出来事を思い出させると話し始める。彼は関係なかったと言うレックスに、校長は、レックスの放校通知を受け取ったあとにライオネルが新しい図書館を寄付したこと、それには二つの条件がついていた、一つはレックスが残ること、もう一つは自分が去ることだったと話す。歴史は面白い繰り返しをする、そうじゃないか?との校長の言葉に、事実を知らされてショックを受けた様子のレックス。

ケント農場。
クラークはまだエッセイと格闘しているが、"When I See Myself In Five Years"の一行しか書いてない。ラナがロフトに上がってきて声をかける。タロンに行こうと思ってたら家にこれがついたの、と大きな封筒を見せる。レックスに母親のことを調べてもらったがまだ見ていない。両親へのイメージを失うのが怖いらしい。ラナはクラークに祖父のことを尋ねる。クラークはまるで歴史が繰り返されるのを見るようだった、こんなふうに終わるのはいやだ、過去については何もできないが、将来については何かできるだろう、と話す。

107と表記されたドアを叩く手。
ドアが開き、マーサの父が出る。クラークが立っている。始まるチャンスもなしに終わるなんてと言うクラーク。中に招き入れるマーサの父。トランクの荷造りをしている。クラークは家族写真のアルバムを手渡し見て欲しいという。メガネをかけてみようとする彼に、クラークはそういうふうに家族にもして欲しかったと話す。マーサの父はアルバムを見ずに、トランクから小切手を出し、マーサに渡して欲しい、彼女が望むいつでも使えるとクラークに手渡す。なぜ直接手渡さないんだと怒るクラークは、二十年も家族に会わなかったのに立ち去るなんて理解できない、と言い捨ててアルバムを取り、部屋を出る。

スモールビル高校の廊下。
チアリーダー姿のクリッシーを、レイノルズ校長が呼び止める。君の両親に三回も連絡をしたのにまだ返答がない、この週末に両親が家にいるとき訪れるつもりだと話すと、クリッシーが、週末は愛校週間のパーティーでタロンにいる、パーティの前にそこで私たちと会えますよ、と答える。了承するレイノルズ。立ち去る彼にクリッシーは手を振るが、その手の甲は再び老人のようになっている。

トーチ編集部。クロエがパソコンを見ている。クラークが入ってくる。
六回も連絡したのにというクロエ。奇妙な日でね、とクラーク。もっと奇妙になるわよ、とクロエ。
十二年前のフロリダのパイパー高校の写真。ここで三人の学生が早老症で死んでいた。クリッシーが関係していたんだろというクラークに、パイパー高'90年のクラス写真の、違う名前で同じ顔のクリッシーを見せるクロエ。'81年のレイクウッド高校での写真にも別名で同じ顔の写真。三人の早老症のケースを探したら、1921年のハモンズ高校の女学生三人の死亡までたどり着いた。クラークは、まるで永遠に若さを保つために彼らの若さを食べてるみたいだ、トロイ・ラッセル…クリッシーはあともう一人犠牲者が必要だろうと言うクラーク。警察に電話をかけるわと言うクロエの傍らから、瞬時に消えるクラーク。

タロン。劇場のステージ。
誰もいないステージにきらめくミラーボールと音楽。クリッシーがステージにあがりそれを見ている。校長がステージ横から彼女を見つけ声をかける。両親はどこかと聞くレイノルズに、一世紀前に死んだわと答える。何度も将来を見て学んだ、と暗がりから出て顔を見せるクリッシー。顔の皮膚がたるみ、年を取っている。あれが誰の人生にとっても一番いい時期なの、と言ってレイノルズを照明器具で殴る。

劇場の客席側入り口からクラークがスーパースピードで入ってくると同時にピートもくる。
クリッシーを見なかったかと聞くクラーク。ここにいたよとのピートの答えに、クラークはステージを透視してみる。ステージの裏に、倒れている人物とそれにかがみこんで近づいている人物が見える。ピートに誰も中に入れるなといって、スーパースピードでそこへ行き、クリッシーを止めるクラーク。クリッシーはさらに老化が進んでいる。
クリッシーは、いまほど幸福ではない人生から彼らを救っているのだという。人生には愛校週間とチアリーディング以上のことがあると話すクラークに、あなたは間違ってる、若さも美もいまほど完璧には決してならない、でも自分は違う、と言って、クラークに襲いかかろうとするクリッシーだがクラークの反撃にあい、ステージのスクリーンを突き破って舞台側に落ちる。起き上がるクリッシーの姿が、くるくる回る鏡貼りの四角いオブジェクトに映り、しだいにミイラのようになっていき、かけつけたクラークの目の前で、目や口から金色の光を放出して灰になり、消えていく。

ケント家。
壁に幼いクラークとマーサとジョナサンで楽しそうに映っている写真が飾ってある。
クラークが二階から降りてきて、玄関から入ってきたジョナサンに、また請求書?と声をかける。二人でキッチンに行くとマーサがいる。愛校週間のパーティーは中止、校長は無事で相変わらず。ジョナサンが、クラークがこの状況にいらいらしてたのは知ってるが…と話すと、彼に会いに行ったよ、とクラークが答える。驚くマーサとジョナサン。預かっていた小切手をクラークから渡され微笑むマーサ。
おじいさんは自分が養子になったあと会おうとしたのに、なんで会わせなかったの?と聞くクラークにジョナサンが、複雑なんだよと言う。ぼくのおじいさんなのに、と言い募るクラーク。マーサと目線を交わし、意を決したかのように、クラーク、と呼びかけるジョナサン。お前が小さかった頃は能力をコントロールできなかった、もし彼が自分達と過ごしていたら秘密が見つかったかもしれない、と話す。でも彼は家族だよ、と静かに答えるクラーク。マーサが、自分達は意見が違っていた過去があり、彼がどういう反応をするかわからなかった、彼を信頼することができなかった、と言う。両親の顔を見てクラークは、じゃあ彼が家族の一員じゃないのは僕のせいなの?と聞く。ジョナサンを見るマーサ。ジョナサンはクラークの肩に手をかけ、誰もがおじいちゃんと会いたいだろう、でもお前の場合は無理かもしれない、と言う。がっかりした様子のクラーク。

夜。満月がのぼる。
納屋の自分のロフトのソファに座ってエッセイを書いているクラーク。
ラナが上がってくる。お邪魔かしらと聞くラナに、ちょうどエッセイを終えた言うクラーク。それで五年後はどこにいるつもりなの?と尋ねるラナ。大学で、多分ジャーナリズムを勉強してる、と答えるクラークに、冗談でしょとラナは言うが、クラークは、真実を見つけるのが好きだし人生に秘密を持つことに飽き飽きしてる、祖父との関係も自分で方法を考える、と話す。クラークの話を聞いて感心したように頷くラナ。
ラナは自分の両親のことを話す。レックスからのファイルを読んだところ、両親は1985年に一度離婚申請をして一年以上別居した。結局元に戻ったが、例の写真はその間のことで、友人以上なのかもしれない。自分が生まれたのは両親が元に戻ってから。

ラナ:…私の父はまだ生きてるかもしれない。

見つめあい、手にした写真を眺めるクラークとラナ。

END